【外部演出】芝居屋風雷紡「きみがみむねに」ご来場ありがとうございました(作品をご覧になった方向けの演出家としての御礼をこめて)

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無事、芝居屋風雷紡第九廻公演『きみがみむねに』全公演終演致しました。関わってくださった方、興味を持ってくださった方、ご来場くださった方、そして勇敢な俳優各位、全力を尽くしてくれたスタッフの皆さま、本当にありがとうございました。どの努力が欠けても成立しない、本当に全員で創った舞台だと実感しています。

 

とにかく情念に満ち溢れた噛めば噛むほど味が出る吉水恭子の脚本と対峙し、奮闘した一月半でした。こんな味の濃いものにクリームソースなんかかけてやれるか!塩だ塩!と朝のどこぞのイケメンクッキング並みの高さから適正な塩の振り方を模索し、味付けではない、口当たりだ!口触りだ!と食材の切り方に奮闘する毎日を超えて、結局炙るのかよ、そうだな、そりゃ美味いな!って感じでした。あらとてもコンパクトかつスムースにまとまってる。なにがなんだかわからないかもしれませんが(そりゃそうである)、ほぼ完璧にメタファーになってる。そんな演出でございました。

 

というわけで、どたんばで調理法の転換はあったものの、基本シンプルな、脚本自体の良さを極力活かした演出を心がけたつもりです。演出として完全に創作した脚本に一行もない場面は加賀美の原稿が偽物と差し替えられたときの群読の最後に紙を盛大にばら撒くシーンと、繰り返される処刑の最後に「死にたくない」と生を叫ぶものの男たちに押さえつけられる芳子のシーンのみです。それだけ演出としても、俳優としてもやればやるほど発見の多い、稽古をしながら、あるいは本番をしながら進化していける脚本でした。

 

 

心から俳優に感謝を申し上げたい。

彼ら彼女らは誰もが勇敢で、クリエイティブで、戦う姿勢を失わなかった。地図は書けても道案内が下手くそな私に力をかしてくれました。一人一人が独立したアーティストでした。

 

心からスタッフに感謝を申し上げたい。

制作のチーム風雷紡以外は全員が初めてのスタッフで不安もありましたが、本当に上質なスタッフでした。演劇自体と俳優とお客さんへの誠意と技術を尽くすことは当たり前で、提案が豊富で、自身の芝居心も隠さず出してくれたので、本音で仕事ができました。

 

 

私は過去の風雷紡さんの作品は一作しか観ていないので、なかなか比較は難しいのですが、過去の作品と随分違う印象を受けた方が多いようです。もちろん賛否両論あるのですが、文学エンターテイメントとしてあなたの心に成立してくれれば幸いです。

 

 

打ち上げ、あっという間で寂しかった。もう少し、この暑い熱い夏を戦い抜いた仲間たちともっと語らいたかった。でも、いつか続けていればまた会える。そう思って、次の作品に向かいます。また、新しい仲間ともに。

 

最高の夏でした。ありがとう。

 

 

そして、最後はこりゃ、と胸を射抜かれた谷仲恵輔氏のFBの一行で締めたい。

ダメな作品だと思われたならすみません、でも、面白い作品でした。

また、頑張ります。

ありがとうございました。

 

 

【追伸】
劇評はこちらにまとまっております。(外部リンク)