ハラスメント一次調査報告について(22.10.15訂正版)

※10/15 17:30一部訂正しております。
訂正点については太字とイタリックで記入しております。

8/5の記事にてご報告いたしました、過去4年度分におけるハラスメントについて、現段階での一次報告をさせて頂きます。

こちらの文面は、主に調査を始める前に劇団員で過去の公演について洗い直したものが原文になっております。各公演の参加者に「劇団として、これらのハラスメントやそれに準ずる行為を把握しています」として、正否や実態の調査を踏まえた調査依頼をお送りし、ご返答いただいた上で加筆・修正しました。


調査は過去4年度内のAmmo公演に参加し、かつ全ての稽古場に常駐した俳優・スタッフとなっておりますが、8/28現在、全員への聞き取りが完了してはおりません(全対象者への連絡は終了しております)。

こちらの文章以上のこと、具体的にはハラスメントの対象者の実名や発生した日付、具体的な発言などは調査が進んでいるものも多くありますが、被害者の特定を避けるために一部言及を省略しておりますことをご留意ください。

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ハラスメント行為……加害者・被害者ともに存在を承認したハラスメント行為

ハラスメントになりうる可能性があった行為……被害者側あるいは第三者の認識としてハラスメントではない、とされたが、劇団側では関係・状況によりハラスメントの可能性があると判断したもの、あるいは推測されるもの



2018年 vol5.5 試演会
『ハラスメント行為』
『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
ともに、現在確認できず

2019年 vol.6 カーテンを閉じたまま


『ハラスメント行為』
・演出者(南慎介)がペットボトルを稽古場の床に投げて不快感を示した行為
・演出者が(南慎介)場当たり(劇場でのシーン作り)前に充分な説明を行わずに特定の俳優の台詞を削った行為
・怪我の可能性があるシーンで、客演俳優が必要以上に攻撃的な態度を取った行為


『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
・(団体として)女性俳優への性的要素のあるシーンに対する配慮不足

2019年 番外公演 墨を塗りつつ
『ハラスメント行為』
『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
ともに、現在確認できず

2019年 vol.7 調和と服毒
『ハラスメント行為』
・年上俳優から年下俳優へのパワーハラスメントと、演出者がそれを容認したこと
・客演俳優間の稽古時間外の目的・意図が不明な連絡・言動および人格批判
・演出者(南慎介)の女性俳優への稽古終了後のミーティングにおけるパワーハラスメント
・演出者(南慎介)の女性俳優へのセクシャルハラスメント
・俳優の身体が傷つく可能性があるシーンにて、方針が定まらないまま複数回繰り返させた行為
・(団体として)女性俳優への性的要素のあるシーンに対する配慮不足
・(団体として)環境型セクハラとその容認
『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
・抜き稽古(対象の俳優のみが参加の稽古)へ移行する際に、演出者から一部演技指導を客演俳優に依頼することに対して、演技指導を受ける側への説明不足
・演出者(南慎介)が俳優に対して威圧的な態度と口調で不快感を示した行為
・演出者(南慎介)による稽古時間外の不適切な発言
・一部俳優による特定の人物にあだ名をつけ呼称した行為

2020年 番外公演 桜の森の満開のあとで
『ハラスメント行為』
『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
ともに、現在確認できず

2021年 vol.8 太陽は飛び去って
『ハラスメント行為』
・俳優(劇団員:吉村公佑)から俳優(劇団員)に対するパワーハラスメントと、演出者(南慎介)がそれを容認したこと
・俳優(劇団員:吉村公佑)から演出助手への酩酊状態での連絡及び人格否定
 ※酩酊状態につきまして今後より詳しくご説明出来るよう準備しております
・俳優(劇団員:吉村公佑)がハラスメント行為への指摘を無視し、指摘した人間に対して攻撃的な発言を繰り返したこと
・俳優(劇団員:吉村公佑)が怪我の可能性があるシーンで、直前に動揺を引き起こす言葉をシーンを行う俳優にかけたこと
・俳優(劇団員:吉村公佑)が出演者としての業務の範疇を超えて演出やスタッフワークへの変更を求めた行為
『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
・俳優(客演)の必要を超えたスタッフ業務への負担
・演出者(南慎介)が俳優(劇団員)に対して「お前」と呼称し威圧的な口調で指導したこと
・一部の俳優が出演者の業務の範疇を超えて助言や他俳優への演技の変更を求めた行為

公演時期外に起こったこと
『ハラスメント行為』
・パワーハラスメントを団体として容認する行動をとったこと(パワーハラスメントを行なった俳優の行為を正さずに劇団員として採用することで、承認する態度を取り続けた)
『ハラスメントになりうる可能性があった行為』
・俳優(劇団員:吉村公佑)が他作品へのリスペクトを欠いた言動を公の場で発言すること 


以上

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こちらには、いくつか注意点がございます。


①現在複数名の方とそれぞれの公演について連絡を継続しております。それらはこの報告には一部反映されておりません。またこの報告は、被害者の方の事態の整理を急かすものではありません。今後の調査によって大きく変更がある場合もございます

②ハラスメントの被害者及び加害者が複数人に渡るものもあり、その被害者と思われる方の中から「当時はハラスメントではないと感じた」「ハラスメントには当たらない」というご指摘があった件も、被害を矮小化しないために文言を残しております

③一方で、劇団が「ハラスメントの可能性がある」として調査を依頼した事件の中で、被害者(に当たるとされる)全員が「ハラスメントに当たらない」とご意見いただいたもの2件については記載を削除いたしました。また、記載しているもの以外にも「ハラスメントには当たらない(記載する必要はない)が嫌な思いをした」というご意見も頂戴しております

 完全な報告は未だ完成しておりませんが、Ammoではこれらの事態を非常に重く見ております。Ammo劇団員それぞれが被害者の方への対話を継続しながら、ハラスメントに対する認識・人権意識を一新するとともに、創作パートナーとなる客演俳優・スタッフにも広める努力をすることを約束します。

 その具体的施策として次回公演の詳細発表までにハラスメント規定の制定と、稽古期間中にハラスメント講習の実施を行います。

 被害者の方に深い傷を負わせてしまったことに対し、改めて心よりお詫び申し上げます。
 今後も完全版の報告書の完成を目指しますが、情報の更新があったタイミングにて随時、ご報告させて頂きます。

Ammo 代表 南慎介