vol.1「Lucifer」南慎介による「まえがき」

皆様、こんにちは。Ammoの中の人、こと、Luciferの作・演出の南慎介です。
今度Ammoって演劇ユニットを旗揚げすることになりましたが、つい最近までMinami Produceっていう別の演劇ユニットをやっておりまして、そちらのほうではこのように、「まえがき」を書いておりました。別に読まなくても作品は充分楽しんでいただけるようにできていますが、「もうちょっと世界を楽しみたいな」という方向けの小さな読み物です。

少し肌寒くなってきましたね。暖かい紅茶でもお供にでも読んでいただければ幸いです。

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まずは、この素敵なフライヤーについて(自画自賛)。
こちらのイラストを担当して頂いたのは桐村理恵さんという素敵な女性です。彼女の作品を僕は何作か拝見していたのですが、非常にポップで女性的で、抽象的なイメージがありました。ですが、「どこか遠い場所」へ連れて行ってくれるような気がして、今回このような具体的で男性的なフライヤーをお願いすることになりました。

フライヤーの少年は【世界で一番人を殺した兵器】であるAK47を担ぎながら、【世界で一番プレーされているスポーツ】サッカーのボールを蹴っています。AKとサッカー。ちょっと聞いただけではまるで結びつかない二つの道具です。
が、この二つは、【貧しい人がクソみたいな現実からほんの少しの切れ間がさした時に未来を切り裂くナイフの切っ先】なのです。

 

多くの貧しい国の若者は銃(=暴力)を手に取るか、サッカーボール(=夢)を手に取るか悩み、そして純粋に選ぶことなく死んでいきます。彼らはかつての、あるいは今の僕らと同じティーンネイジャーです。「遠くにいるあなたは、そこで生まれたわたし」。Ammoのコンセプトとあのフライヤーはこういう風に結びついてきます。

 

そして、今回のお話。

かつてあったユーゴスラビアという国、またはボスニア・ヘルツェゴビナという国をご存知ですか?東欧というと心理的にも地理的にも遠いイメージがありますが、ユーゴスラビア社会主義連邦はイタリアやギリシャとも国境を接しています。とってもヨーロッパ(謎)の位置あいです。

この国は歴史的にもいろいろとアレですが、つい数十年前に「民族浄化」という言葉が生まれるくらい地で血を洗うようなひどい内戦がありました。しかし、それにも関わらずこの国々は魅力に溢れています。

それは、この国の人、そのものに他ならないのです。情熱的で、情が深く、どこかおおざっぱで底抜けに明るい一方で、暗い歴史の影を背負っている。

この続きは、劇場で。