Minami Produce verse.08「辺境、どこまで行っても」無事全ての公演が終了いたしました。
ご来場いただきました皆様、関係者の皆様に篤く御礼申し上げます。
この作品の構想が思い浮かんだ時、まず「よくわからないものを創ろう」と考えていました。
もう少し説明すると、テーマを決めて、登場人物を決め、大まかなストーリーラインを決めてハコ書きをして事前にあらすじを用意して、と行ったいわゆるルーティンワークをほぼ排除して作品を作りたかった。それらの約束ごとは大きな物事を束ねるのに非常に有効だけれど、もっとささやかなもの、普段日常やぼくらの創作からすらこぼれ落ちてしまうものを作品にしたいと思っていました。
そしてもうひとつは「どこまで演劇であれるか」、みたいなことでした。最初に岸上大作の「ぼくのためのノート」を読んだ時には、こりゃだめだ、と正直思ったものです。劇中のセリフにもあるように「ある種のエヴァーグリーンさ」はあるものの、支離滅裂だし、あまりに個人的すぎる(誰にもわからない固有名詞ばかり)だし、そもそも文体は敬愛する太宰治の借り物である。
これをそのままやって演劇にできるはずない、じゃあやろう、で、今回の作品となりました。